外壁塗装を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、創業以来21年以上この道ひとすじの塗想屋こころが、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪
1.塗料の種類
外壁塗装の塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『上塗り用塗料』です。
それぞれについて、説明をいたしましょう。
2.下塗り塗料
下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな壁材がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。
・サイディング壁
サイディング材の中でも近年最も普及しているのが「窯業系サイディング」です。
◎使用する下塗り塗料
・サイディング用シーラー系
・サイディング用サーフェーサー系
水性や油性、1液タイプや2液タイプなど細かく分類することもできますが、主にこの2種類になります。
「メーカーカタログ」にきちんと「適用下塗材」と記入されてるものを選定します。
・モルタル壁
モルタル壁は昔ながらの外壁材です。現在では、窯業系サイディングが主流となっていますが、昔はモルタル壁が大半を占めていました。特徴としては大壁を形成できることです。サイディングのようにコーキング目地が入らないのも特徴です。
しかし、反面ひび割れしやすいというデメリットもあります。そんなモルタル壁のデメリットをカバーしてくれる下塗り材が『微弾性フィラー』という下塗り塗料です。粘度が高く細かいひび割れなどは微弾性フィラーが埋めてくれますし、多少の伸縮にも追従できる特徴があります。大変多機能的に幅広く使用されます。
・ALC
ALCはAutoclaved Light-weight Concreteの略で外壁材の名前です。発泡剤で多孔質化した軽量気泡コンクリートのことです。 板状にしたものはALC板あるいはALCパネルといいます。
ALCの性質は 軽量で施工、加工が容易で、断熱性・耐火性も高く、主に鉄骨造や木造建築に使用されています。気泡が多いため水分を含みやすい外壁材なので、塗装やシーリングの補修がとても重要です。ALCの塗装において、下地調整が十分に行われないことが原因で防水性が問題となる事があります。気泡が多いために表面がザラザラしていることが特徴です。
下塗り塗料は主にフィラーを使用し細かい気泡の目がしっかりと埋まるように塗装をしていきます。
・トタン・ガルバニウムの壁
こちらはトタンの壁です。築50〜60年前後のお家や、最近のお家でも時々見かけますね。
・木の壁
木部に関しては、塗料選択に細心の注意が必要です。それこそ経験がなければ塗料選択を誤ることがあります。
木部は、基本的に自然の物なので劣化が早く、杉、松、ヒノキなど様々な種類があります。木の種類や新しい木、古い木によって塗料の吸い込み具合が変わります。
さらに、塗装してあるのかないのか、木目が見えている塗り方をするのか、木目を潰してしまうのかで全く塗料や工法が変わってきます。このように、木部塗装はかなり繊細かつ精密さが必要な塗装工事が必要です。
3.上塗り塗料
「上塗り塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。
シリコン塗料
いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、塗想屋こころでも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。
特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。
また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。
お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2022年4月現在)でも10〜15%前後となっております。
無機ハイブリッド塗料
一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。
そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。
ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。
断熱塗料
そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、塗想屋こころでは、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。
「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。(2020年4月現在)
効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。
費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。
また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。
以上が、外壁塗装の塗料の説明となります。ただし、塗想屋こころでは、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)
ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業以来21年以上の私たち塗想屋こころに安心してお任せくださいね。